「機嫌良くしごとすっと、
みかんに幸せが伝わっとばい」
これが、おいしさの秘密かもしれない
九州本土から5つの橋を渡り辿り着くのは、3つの海に囲まれた島。
さんさんと降り注ぐ太陽と、ミネラル豊富な青い海、穏やかな潮風、生産者の思いがクロスしながら、この地で多くの食材が育まれています。
ほがらか、でも、真面目でひたむき。
天草で出会ったのは、そんな生産風景の日常でした。
「機嫌良くしごとすっと、
みかんに幸せが伝わっとばい」
これが、おいしさの秘密かもしれない
素早く泳ぎ回る魚を
サイズを見極め一瞬にしてすくう。
その目利きと勘に驚かされる。
「お~い、こっちにおいで」
のっそりと近寄る彼らの傍らを
優しい風と時が流れてゆく
土も、石も、造る人も。
これまでも、これからも。
ずっとあり続ける島の宝物。
「焼酎は体でつくっと」
蔵の麹菌、あえて入れる潮風とともに
若旦那は120日も蔵に籠る
「いっぴゃ食え、ほうら!」
同じ海にいるカジメを食べ
鮑はすくすくと育つ。
「燻される魚の気持ちが分かる」
そう目を細める彼が
日本のだし文化を支えていく
「おいしく餌ば食っとるか?」
愛情あふれる飼育者の視線を
天草大王は100%受け止めている
鮮やかな色を決めるのは
海の美しさだけじゃないんだ。
「塩作りとは、人生そのもの」
そう答える達人の手元は
絶え間なく動き続ける。
「けんかはできん」
夫が潜り、妻が命綱を持つ
天草だけの素潜り漁